日本で有効な一番古い法律は?

1年のうち一番短い月は、2月ですね。
2月は、通常28日(うるう年で29日)しかありません。

なぜ、2月だけ日が少ないのでしょうか。
1年が1月から始まるのであれば、12月の末を短くして調整するのが普通ではないか。
誰しもが一度は感じる疑問ではないでしょうか。

この疑問を解くカギは、実は9月にあります。
9月は、英語でseptember ですが、これは、「seven」つまり「7」と語源が一緒です。

次の10月は、英語でoctoberですが、これは、ラテン語で「8番目」という意味の「octo」に由来しています。
英語でoctopusはタコですが、これは足が8本あるからです。

同様に、11月である「november」は、「9番目」を意味するラテン語の「novem」に由来し(「nine」の語源にもなっています)、12月である「december」は、「10番目」を意味する「decem」に由来します(フランス語で10を意味する「dex」の語源になっています)。

つまり、9月、10月、11月、12月は、もともとは、それぞれ7月、8月、9月、10月を意味していました。

これは、もともと紀元前の昔、1年は3月(Martius)から始まり、10番目の月(December)で終わる10か月、とされていたことによります(Decemberが終わってから3月1日までの間に、日付のない日が約60日ありましたが、冬場で畑仕事がない季節だったので、日付を付ける必要性がなかったとのことです)。

その後、January(1月)とFebruary(2月)が後から加わって、1年は12か月となりました(これを「ローマ歴」といいます)。
つまり、2月は一年の最後の月ということになり、2月を短くすることで1年の長さを調整する、ということになったのです

ちなみに、1か月31日の月があるのなら、31日の月を減らして2月を30日にすればいいのではないか、と思われるかもしれませんが、昔のローマの皇帝は、自分の生まれた月の日数が多くなるようにしたい、とのことで、むしろ年末の2月を削って他の月の日数を多くした、ということのようです。
Jury(7月)はジュリアス・シーザーに由来し、August(8月)はアウグストゥスに由来しますが、いずれも31日になっているのはこのためです。

ところで、日本で生きている法律で一番古いものは、明治5年11月9日に制定された「改暦ノ布告」というものだそうです。
これは、日本の暦を旧暦から太陽暦に改めるための法律、とのことです。

今日は、旧暦では8月9日だそうですが、日本人はみんな、今日を9月13日と認識しています。
このように、日本人が特定の日にちを共通認識として持つことができるのは、「改暦ノ布告」があるから、ということになるのです。
なかなか影響力の大きい法律ですね。

2013年9月13日執筆

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